2022/01/11 17:27
テーラードジャケットは今のファッションにおいて定番ですが、いつの時代も様々なイメージやデザインが登場するアイテムですね。国
や地域によってもそれぞれに特徴もあり、シチュエーションによっても様々な解釈で着こなすことが出来る
スタイリングの中心となるアイテムです。それだけに各ブランドを代表する場合も多いです。テーラードジャケットにおいて最も特徴的な
スタイルはイギリスとイタリアを起源とするブリティッシュスーツとイタリアンスーツの2スタイルだと思います。
イギリス的なテーラードはかっちりと仕上げられた格式の高いジャケットです。かつて日本ではテーラードジャケットのことを背広と
呼びましたが、この語源はイギリスのテーラー店舗が立ち並ぶ通りの名前であるサヴィル・ロウ ストリートを語源の由来としており、そ
の読み方に漢字の意味を持たせて「背広」になったと言われています。とても上手く漢字があてはまっていてセビロという音のリズムが洋
風な感じがしてかっこいいですよね。イギリスのテーラリングの格式高い雰囲気に見える一番の理由はジャケットの内部構造にあります。
肩パッドがしっかりと入り、肩を構築的に見せているだけでなく、ボディー部分に毛芯といわれる張りがあり柔軟性も兼ね備えた素材で生
地そのものを内側からを支えてジャケットを構成していきますます。どちらかというと足し算的なアプローチとなります。
今のRABDのジャケットは毛芯仕立てのジャケットですのでどちらかといいますとブリティッシュスタイルかと思います。
仕付け糸を刺しながら縫い上げていきます。
毛芯が入ったあとは生地もほっとした感じに見えます^^
こちらの生地はイギリスからの輸入品ですので印象としてはイギリスっぽくなっていますが
アシメトリックな雰囲気が日本っぽくもあるようにも見えます。
代表的なファッ
ションブランドといえば、アレキサンダー・マックイーンがあげれるのではないかと思います。90年代半ばに登場し、亡くなる2010年まで
数々のデカダンスな雰囲気のアイテムで人気を博し、さらに若くして亡くなったことで伝説的な存在として今もファッション界に名を残し
ていますが、実は10代半ばで先述のサヴィル・ロウでの修業からスタートした生粋のテーラー職人だったのです。
一方のイタリア的なテーラードジャケットスタイルといえば、生地の特性を生かし、生地内側の支えの有無を上手く操作しながら、体
と生地を調和させて構成していきます。つまりジャケットの柔らかい部分と構築的な部分の調和を保ちつつ、しなやかに着るジャケッ
ト言えます。肩パッドの有無はブランドにもよると思いますが、毛芯やフェルト芯は控えめにしていくことにより特徴を出します。ここま
で聞くとイギリスのテーラードジャケットの方が、高い技術を要するように思えますが構造をなくしていきながら、組み上げていくイタリ
アンスタイルも1つのアイテムをまとめるのにとても高度な技術を要します。
代表的なブランドとしてジョルジオ・アルマーニがあります。長い歴史を誇りますが、70年代の登場以来、一貫して都会的で洗練された雰
囲気を保っています。またメインラインのジョルジオ・アルマーニから派生させた数ラインを運営することで、若い世代やより高価なラグ
ジャリーな顧客層に向けての商品開発も行っています。また、ブランドイメージが定着した現在は飲食事業、リゾート事業の他、慈善事業
なども世界的に展開して成功をおさめています。そしてデザイナーのジョルジオ・アルマーニ自身はブランド誕生の1975年以来、87歳の今
も現役を続ける言わばファッション界の生きる伝説です。マックイーン、アルマーニ共に伝説のブランドとして今後もさらに発展、展開を
遂げていくことと思います。
以上、ブリティッシュスタイル、イタリアンスタイル両者のテーラードジャケットの特徴とブランド例を上げてみましたが、テーラード
スーツを選ばれる際に意識して取り入れることでより様々な雰囲気を楽しむことが出来ると思います。また、洋画等を見ていても楽しみの
幅が増えます。テーラード大好き人間の私はいつも中身が気になってついついビンテージ物の内部を開けては観察してしまい、素材感、
縫製の仕様などなど思わず時間を忘れて見入ってしまいます。これデザイナーあるあるなのでしょうかね^^。
毛芯と生地を一体化させていきスタイルの表情をつけるのがテーラードジャケットの見せ場です。
もちろん、イタリアンな雰囲気も可能ですのでお探しのジャケットがございましたらいつでもご連絡頂けましたら幸いです。